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ねこ文童話>路傍の猫

路傍の猫


僕は、どこにでもいる猫。
昨日捨てられて、ここに暮らすことになった。
おととい拾われたばっかりなのに・・。

一人ぼっちになった・・・。

昨日は、家でずっと寝ていたのに。

街は表向きは明るいけど・・路地裏は真っ暗だ。

誰も来てくれない。
誰も助けてはくれない。

僕は一人で生きていこうと思った。

けど、やっぱり孤独はいやだ・・。
誰か・・、助けて・・・。

僕は仕方なくその場に寝転がった。
体が汚くなる・・。
でも、そんなことは言っていられない。
これからどう生きていくか、考えないと。

にゃ〜〜〜〜〜〜〜〜。
僕は鳴いた。
そうしたら、隣のアパートの住人に怒鳴られた。

その場から立ち去った。
どうやらここは場所が悪いみたいだ。

僕は走り出した。
たしかに、外に出れたことで自由にはなれた。
でも・・・寂しい・・・。
あの家にいた女の子のことが忘れられない・・。

僕の体を洗ってくれた、やさしい女の子。
僕ののどをなでてくれた、やさしい女の子。

僕はあの子が好きだ。
でも、僕は捨てられた。
原因は、お母さんの猫嫌いだったみたい。

女の子は、最後まで泣いてた・・。
僕の心は、締め付けられるように悲しかった・・。

もう、誰も拾ってはくれない・・。
僕はどうすればいいんだろう・・。

もう一度・・会いたい・・。
やさしい、あの女の子に・・。

まだ、名前も知らない・・女の子。
でも、どこにいるか分からない・・。

僕のお母さんは、事故で死んだ・・。
あの赤い車が、許せない・・。

僕の兄弟は、みんな拾われたのに・・。
僕だけが残った・・・。

そんな僕を拾ってくれたのは、あの女の子だけだった。

あいたい・・・
あいたいよ・・・・

僕は星に願いをこめる。
でも、願いは叶わなかった・・。

僕は鳴いた。
何度も・・・何度も・・・。

鳴いていたら、遠くから女の子が走ってきた。
それは、あの女の子だった。
どうやら、飼う事が許されたみたいだった。

願いが叶った・・・。
僕はうれしくて鳴いた。

そして、もう一度、僕は鳴いた。

にゃ〜〜〜〜〜〜〜。

お・し・ま・い

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