サッカーボール
ぼくは、サッカーボール。
どこにでもある、普通の、泥で汚れたサッカーボール。
ところどころ破けているけど、まだまだ使えるサッカーボール。
きょうも、ぼくは蹴られている。
でも、ぼくは蹴られてしあわせなんだ・・。
さいきん、テレビを見ると、かっこいいボールくんが活躍している。
数々の有名な選手たちに蹴られて、しあわせそうにしている。
ぼくは、それがうらやましかった。
そして、ぼくは決心した。
ぼくも、いつかワールドカップのサッカーボールになるんだ。
そして、日本代表を勝利に導くんだ。
でも、それは夢。叶わない夢・・。
ぼくと、あのボールくんは違うんだ。
ぼくもなりたいな・・あのボールに・・。
そして、いつしか日が暮れて、今日のぼくの役目はおわった。
あした、またみんなに会えるから・・。
ぼくはいつもの空き地の草むらに寝転がる。
そして、日が昇る。
ぼくは、今日も子供たちに蹴られている。
それでもぼくはしあわせなんだ・・・。
子供たちの笑顔が好きなんだ！！
お・し・ま・い
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